■英語はイメージの言語
ここまでこのブログでは、
英語は絵を言葉にして表現し、言葉を絵にして理解する言語だ
という立場で進めてきました。
つまり、英語では、「意味=イメージ」なわけです。
辞書を引くと言葉の定義が言葉で記述されていますが、脳は意味をそのように厳密に定義していません。
意味=イメージであるということは、イメージが同じ=意味が同じということです。
そのため、イメージが共通しているものに、言葉の範囲が拡大したり転用されたりします。
■日本語は「感じ」の言語
これは、何か文献にあたったわけでもなく、ただの私見・妄想なのですが、
日本語は「感じ」または体感を言葉にし、言葉を「感じ」または体感に置き換えて理解する言語だ
と言えると思います。
五感が受け取った情報自体でなくて、それを脳や身体がどう感じたかを言葉にする言語ではないでしょうか。
日本語は非常にオノマトペが多い言語ですが、日本語のオノマトペにはただ音を言語化したとは言えない擬態語が非常に多く存在します。
これは日本語が「感じ」の言語であることのひとつのあらわれだと思います。
日本の「空気を読む文化」も、「感じ」の中に意味を持つ日本語の性質がかかわっているように思います。
■rightの意味
rightは辞書を引くと、右、正しい、権利などの意味が書かれています。
これらの一見異なった意味も、おそらくひとつのイメージがもとになっています。
それは、「ぴったりハマる」イメージです。
このイメージから一番導きやすいのが、正しい、でしょう。
社会のルールや法、神の意志などにぴったりハマるイメージです。
右、についても、世の中は右利きの人が多数であることから、左手よりも右手の方が何をするにもぴったりハマる感覚があるのではないでしょうか。(ちょっと苦しいか…。)
左が left なのも、rightがぴったりハマっていて、left がそこから離れているという対になっているのではないかと思います。
他に、正しいという意味から、「右手が正、左手が邪」という宗教的な考えと合わさってrightが右の意味を持つようになったと考えることもできます。
権利についても、権利は正しいものという考えから来ていると考えることができます。
また、基本的人権は、ひとが生まれながらにして持っているものといわれているように、人が生まれてきたときに人権が人間にぴったりとハマって生まれてきたイメージがあるのかもしれません。(これも苦しいか…)
日本語で権利というと、「利」という字が入っているためか、何か権利の行使が利己的なものであるかのようなイメージが一部にあります。
プロ野球のフリーエージェント権を行使した○選手(伏字の意味なし)に対して、球団に育ててもらった恩を忘れたのかという主張があったり、○選手(もうええて)も最後まで決断を迷っているような態度をとらざるをえなかったのも、権利の行使が誰からも邪魔されない正当なものというrightの本来の意味が日本語では希薄になっているからではないかと思います。
■right away
right away が、すぐに・直ちに、に意味になるのはなぜでしょうか。
away は way を形容詞、副詞化したもので、道のり、過程などの意味です。
この道のり、過程がぴったりハマっている状態、つまり過程の部分が満たされてキッチリ終わっていることから、すぐに・直ちにの意味になるのではないかと考えられます。
■参考書籍
日本人にとってなかなか理解しがたい前置詞や基本動詞の意味をイメージでとらえようとする書籍に以下のようなものがあります。
ただ、このイメージを知識として持っただけで、前置詞や基本動詞が使いこなせるわけではありません。たくさんの英文に触れることで、少しずつ無意識下にイメージが形成されて、使えるようになるのだと思います。
英単語イメージハンドブック
絵でわかる英文法イメージハンドブック