日本語を話すような感覚で英語を話したい

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英語をペラペラしゃべれるようになりたい、と思う人は多いですよね。
それも母語である日本語と同じような感覚でしゃべることができたらなあって思いますよね。
文法とか気にすることなく楽に会話ができて、邦画を見るように字幕なしで洋画を見られたらなあって。
ネイティブのように英語を使いこなせたらって。

■日本人の英語学習熱は高いが…

書店に行くと語学のコーナーには物凄い数の英語の学習書が並んでいます。
初心者レベルから中上級者レベルまで、これだけやればオッケー的なものから、がっつり学習するものまで、毎日毎週のように新しい本が出版されています。
街には英会話スクールがたくさんありますし、動画投稿サイトでも英語学習をテーマにした動画がたくさんアップされています。
このように日本人の英語学習熱は高くなる一方で、実際にたくさんの努力をされている方も多いです。

■日本人の英語レベルは低い。

しかし、その割に日本人の英語レベルは決して高くありません。
それは各種の国際調査などの結果にも出ています。
英語が公用語の国には遠く及ぶはずもなく、大概は最下位レベルです。
そこそこしゃべれるという人もそれなりにはいるようですが、
「ビジネスでは使えるけど、雑談となるとさっぱりわからない。」
とか、
「試験のリスニングなら聞き取れるけど、ネイティブの英語はわからない。」
とか、
TOEICで900超えのレベルでもそんな人が多数派だという話も聞きます。
しかもそのレベルに到達するまで、かなりの努力がされていたりします。
場合によっては、日に何時間もの勉強を10年以上、何十年もとか。
それだけの時間と労力を費やしても、ネイティブレベルには程遠い、というのであれば、なんだか暗い気持ちになってしまいます。

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■少数派だがネイティブレベルに到達する人も…

大人になってから英語学習を始めた人で、ネイティブと同じように話せるという人も極たまに見かけるのですが、
そういう人でも、ネイティブの英語の聞き取りにはそこそこの集中力が必要で、
しゃべるときも常に自分の英語が正しいかどうかモニターしているような感じで非常に疲れる、ということも聞きます。
つまり、外から見たらネイティブレベルにはなんとか到達できたとしても、頭の中までは、とても日本語と同じように使いこなす、というわけにはいかないようです。

■大人の日本人には英語を母語感覚で使いこなすことは無理???

では、
日本人には英語を母語レベルにまで身につけることはできないのでしょうか。
「大人になったら外国語をネイティブのように身につけるのは無理なんだよ。」
「日本語と英語はものすごく違いが大きいから身につけられないんだよ。」
「いや、大人になってからもネイティブ並みに話せるようになってる人がいるのだから、身につける方法はあるはずだ。」
「日本人が英語が苦手なのは、和訳中心の英語教育のせいだ。英語を英語のままで学習すればよい。」
とか、さまざまなことが言われています。
このブログでは、ネイティブレベルの英語を大人になってから身につけられるのか、
それを可能にする方法について、書いていきたいと思います。

■言語習得の臨界期説は正しい?

言語の習得には臨界期(このときまでに習得しないとその後は習得できないという期限)があるという見解があります。
主張する人によって違いますが、だいたい中学生くらいまでに習得しないと、それ以降は母語レベルでの外国語の習得は無理という説です。
多くの学習者が外国語の習得に困難を極めている状況をみれば、納得できる面もあります。
しかし、バイリンガルやトライリンガルが存在するように、複数の言語を身につけること自体は脳はできるわけですし、中学生以降で脳の機能が決定的に衰えるわけではないのですから、なんらかの習得方法はあるのではないでしょうか。

■言語習得は難しい??

大人になってから、新しいことを身につけることは可能です。
肉体的な柔軟性が極端に必要なことは難しいかもしれませんが、楽器の演奏や車の運転、スポーツや武術等、
超一流をめざすのでなければ、努力次第で大人でも多くの人が多くのことを相当なレベルまで身につけられるはずです。
では、言語習得については例外なのでしょうか?
言語の習得は他のことと比べて極めて複雑であるがゆえに大人になってからは身につけることはできない、と主張する人もいます。
しかし、そうなのでしょうか。
母語については、脳に何らかの障害がある等の事情がないかぎり、ほぼ100パーセントの子供が身につけることができます。
それを大人が何十年かかっても身につけることができないほど、複雑なことであるとは考えにくいのではないでしょうか。
言語の習得が複雑で習得困難なスキルであるとしても、その他の習得困難なスキルと比べてどう複雑であるのか、決定的な違いがはっきりしません。
大人が習得不可能とまでは言える根拠はないのではないでしょうか。

脳内のことは明らかになっていないことが多く、ただ効果的な習得方法がわかっていないだけではないでしょうか。

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■言語習得にかかる時間は膨大?

外国語の習得が、大人が身につけることが可能なスキルであるとしても、その習得のためには膨大な時間がかかる、という主張があります。
小学校入学程度の語学力をつけるためにも約6年かかる。
一日8時間母語に触れているとして、
8時間×365日×6年=17520時間
毎日2時間勉強したとして、約9000日=約25年
かかることにになる、というような計算をたまに見かけます。

しかし、この計算には少し無理があるように思います。

赤ん坊は一日8時間も母語に触れているでしょうか。
親は一日中赤ん坊に話しかけるわけではありませんし、静かな部屋においておかれる時間も結構長いでしょう。
また、子どもは一つのことに長時間集中できないですし、興味のないことには関心を持たないので、自らを律して努力することができる大人と比べて学習効率はそんなに高くないはずです。
実際、小学生程度の英語の語彙や文法であれば、大人なら数週間から数か月で覚えることができるのではないでしょうか。

■「知識がある」=「使える」ではない。(言語知識と言語運用能力)

そうなんです。大人は語句や文法を覚えることは比較的うまくできるのです。
子どもよりもはるかに効率的に。
大人は自分がやりたくないことでも頑張って努力することができます。
子どもが6年間かかって身につけたことを、それよりはるかに短い時間で
「おぼえる」
ことはできます。
しかし、
「使えない」
んです。
つまり、多くの日本人の英語学習者は、「言語知識」はあるけれども「言語運用能力」はない。という状態なのです。

では、どのようにすれば「使える」ようにできるのでしょうか。次回以降考えていきたいと思います。

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