英語の4つの語順をまずは別個に身につける。①大きな語順(全体の語順)

以前の記事で、
英語を英語のまま理解し、思いついたことを話すと英語になる
という状態を実現するためには、
英語のものの見方を身につける必要がある
ということを書きました。
わたしたち日本語ネイティブは、長年日本語を使い続けてきたために、日本語のものの見方がしみついていて、全く自覚せずに日本語のものの見方をしています。
そのため、なにかを話そうとして思いついたその「イイタイコト」は、日本語のものの見方によってつくられた日本語の発想なのです。
また、英語を聞いたり読んだりしたときも、どうしても以前にも書いた日本語の体験型理解をしようとしてしまいます。
これは、ある程度の量英語を使い続けて英語のものの見方を身につけるまでは仕方のないことです。
なので、英語学習をはじめる当初から、英語で言いたいことを話そうとか、英語を理解しようとか思わず、その欲求をひとまず脇に置いておいて、英語の語順やその他の基本的文法を反射的・無意識的に使えるようにしましょう。
英語をある程度使い続けて、英語のものの見方が身についてくれば、少しずつ、楽に理解したり話せたりができるようになってくるでしょう。

■わたしとI

日本語の「わたし」と同じ発想で、英語の”I”を使うことはできません。
”I”を英英辞典で引くと、
the speaker or writer …であるとか
the person who is speaking …であるとか
書かれていると思います。
つまり、今聞いている話をしゃべっている人、読んでいる文章を書いた人
が”I”なのです。
日本人がわたしって何?と尋ねられたときには、
おそらく、自分の胸か鼻の頭を指さすのではないでしょうか。
言葉で説明するとすれば、
わたしは、漢字では「私」。
これは「公」の対義語で、「公」は外、社会をあらわします。
つまり、「私」とは内、社会の外に対する内側を意味します。
関西あたりの女性の一人称で「ウチ」が使われますが、
同じ感覚で使われるのでしょう。
この違いに日本語と英語のものの見方の違いがあらわれています。
日本語は当事者の視点で、英語は俯瞰的な視点でものを見ています。
日本語の「うち」の発想で、英語の一人称を使うとズレがでてきてしまいます。
少し前に流行った「マイブーム」という言葉は、まさに日本語の「私」の感覚をそのまま
英語の”my”にあてはめています。
「マイカー」「マイホーム」も同じでしょう。

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■4つの語順に分けて学習する

話がそれてしまいましたが、前回までに書いた4つの語順について説明していきましょう。
これは英語のなかに4つの語順があるとわたしが勝手に考えているもので、誰か偉い人が言っているわけではありません。(近いことを言っている人はひょっとしたらいるかもしれません。)
それは1つの大きい語順(全体の語順)と3つの小さい語順(部分の語順)に分かれます。

以前に書いたように、英語の語順は「階層的」になって複雑に絡みあっています。
そのため、その複雑なものを単純なものに分解して、まずはそれぞれを個別に練習していくのです。

大きい語順は、以前に書きました
【だれが】【どうした】【なにを】【どのように】【どこで】【いつ】
の語順です。言い換えると、
【主語】【述語】【述語の対象】【目的・態様など】【場所】【時】
です。
この語順はもちろん常に全部が用いられるわけではありません。時や場所がないことなどもあります。
また、この順序は原則的なもので例外もあります(倒置)。
この語順は、文や節などで用いられます。

英語を話すときの発想するイメージの順序が大きな語順です。

■ネイティブの子どもはどのように大きな語順を身につけるか。

ネイティブの子どもが大きな語順を身につける過程について考えていきます。
以前の記事で、ネイティブの子どもは、
名詞から動詞目に見えるものから見えないもの内容語から機能語
といった順序で覚えていくという話をしました。

ネイティブの子どもにとって、最初のうちは聴いている英語のうちで内容語の部分しかわからない、という状態です。
実際には内容語の部分しか聞こえていないというほうが近いかもしれません。

例えば、
Mike will have to eat an apple at home tonight.
という英文であれば、
Mike eat apple home tonight
が聴こえているような状態です。
冠詞や前置詞や助動詞などの機能語が省かれていることで、大きな語順が浮かび上がってきます
ここから大きな語順の存在に気づき、その順番を学んでいくのです。
内容語にストレスを置いて発音されることも、大きな語順を身につける手助けとなってくれます。

■知らないモノは認識できない

前項で、
「ネイティブの子どもにとって内容語の部分しか聞こえていない」
と書きましたが、
これは、ある文化人類学者の研究がヒントになっています。
その文化人類学者がある原住民のところでフィールドワークを行っていました。
彼が原住民と浜辺にいるときに、沖合を軍艦が通過していました。
そこで、彼が原住民に対して沖合を指さして軍艦の存在を知らせたところ、
原住民はなんの反応も見せなかったそうです。
原住民は軍艦というものを全く知らなかったため、その存在を認識できなかったのです。
その後、軍艦の側面にバナナの絵を描いて沖合を通過させました。
すると原住民は軍艦を発見し、海の方へ駆け寄っていったそうです。
原住民にとって、バナナは既知のものであったため、認識することができたのです。

また、話がそれてしまったので元に戻しましょう。

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■では、大人が大きな語順を身につけるにはどうするか?

わたしたち日本語ネイティブの大人の英語学習者は、英語ネイティブのこどもと異なり、すでに文法的知識があるために、そのままの英文を見聴きすると、冠詞・前置詞・助動詞なども認識してしまい、処理を複雑にしてしまいます。
そこで、これらの部分を削って、大きな語順のみが浮かび上がるようにして練習する必要があります。
具体的なやり方の例については、後で説明します。

■覚えたことを脳内でひたすら反芻

ネイティブの子どもは、覚えた内容語がある規則に従って並んでいることを発見します。
それはおそらく
主語→述語
とか
述語→述語の対象
とか
場所→時
とかの2語の関係からでしょう。
そして、徐々に大きな語順全体を身につけていき、その語順を繰り返し聞いたり、話したりし、さらに脳内で頻繁に反復しているうちに、それが、主語を起点として、内→外、小→大、手前→背景といったグラデーション(段階的変化)で配列されている、
ということが感覚的に無意識に浸透していくのだと思います。
このグラデーションが乱れたときに、
「あれ?おかしいな。」
と違和感を感じることにより、文法的説明ができなくても、感覚的に間違っていると判断するのでしょう。
以前の記事で自然な日本語の順序について書きましたが、
わたしたち日本人もこのような感じで日本語の大きい語順を身につけているのだと思います。
わたしたちも大きい語順を身につけるために、暇を見つけては英語の大きい語順を脳内で反芻しましょう。
子どもが与えられた積み木を飽きもせずこわしては組み立てるのを繰り返すように繰り返しましょう。

次回からは、小さい語順について順次説明していきます。

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